2006年4月16日に宿泊した割烹旅館ゆめさきの体験談です。
「日本一の温泉旅館大賞」を2度も受賞した名旅館です。
アクセスは別府駅からタクシーで10分。 私は別府温泉地獄めぐりから旅館ゆめさきへ移動しましたが車で10分程度でした。
じゃらんや楽天のレビュー、クチコミで「小さくて民宿みたい」という意見がありますが、ゆめさきは割烹旅館です。ぜひお料理を楽しみに行ってください。
旅館の建物は、大きく豪華ではありません。
しかし決してガッカリするものでなく、行き届いた掃除、もてなしのお花などとても気持ちのいい建物です。
温泉は・・・期待以上のものでした。 さすがの別府温泉です。
別府の観光地から少し離れた住宅地の中に割烹旅館ゆめさきはあります。
住宅地は別府の地獄めぐりのエリアと違いとても静かで、日常の落ち着きを見せています。

「あれっ個人邸では?」と思うほど小さな門の横にゆめさきの看板が出ています。
門から玄関までは少し距離があり、その距離がこれから宿泊する旅館への期待を高めてくれます。
というのも先に見える玄関は大きめの引き戸で、開けた戸の中は暗くしっとりとした雰囲気です。
玄関に入るとおかみというには若い女性が一人で出迎えてくれました。
おかみという役柄を演じるわけでなく、気取らないけれどやさしい言葉遣いで迎えてくれました。
靴を脱いで玄関を上がると、板敷きの廊下がまたまっすぐに続いています。
ゆめさきは京都の町屋のように、間口が小さく奥に長い構造の建物だったのです。
旅館の門をくぐってからまっすぐな道を進むだけなのに、周りの風景は変わっていきます。
軽快な木枠の門、打ち水をした足元、入ってからの玉砂利、脇にある低木、玄関の中は暗くて見えなくて好奇心を誘います。
玄関は暗くて内水がしてあり湿度があるけれど、天井が高くて圧迫感はありません。
そして今歩いている廊下はツヤツヤに黒光りする木の廊下。
長い間、毎日丁寧に掃除しなければこんないい色の木になりません。
決して大きく立派な建物ではありませんが、そんな建物とは異なる魅力を見ることができました。
黒くきれいに輝く廊下を進み、一つ目の角を曲がるとふすまがありました。
ここを開けると今晩泊まる部屋です。
前室は大きくなく、狭くもなく。
もう一つふすまを開けると一間あります。
畳敷きの和室。床の間に机、窓の向こうには小さな庭が見えます。
部屋は大きくありません。そして壁の絵や行燈など、物も少なくない。
「旅館の部屋は大きくて物が無く、がらんとしている」イメージを持っている方には残念かもしれませんね。
決して合宿所のような旅館の部屋ではないのです。
室内装飾がしてあって、日常感すら感じます。
私はこの時、自宅から離れて長旅の途中でした。ビジネスホテルや車中泊もしており疲れもありました。
そんな時でしたので、ゆめさきの部屋はとてもくつろげるものでした。
ゆめさきには大きな日本庭園はありません。
裏庭サイズの庭園です。
その限られたスペースの中に和の雰囲気と季節を楽しませる工夫、手入れのされた庭でした。
廊下から、庭をはさんで一つ奥のお部屋が見えました。
座イスに座って机に向かっています。もう夕食かな?
「今日は外国からのお客様がいらっしゃってるんです。」
どうりで座イスが小さく見えたわけです。
ゆめさきの料理はお肉ががドーン!刺身がモリモリ!なんて豪華なビジュアルではありません。そして薄味です。
しかし決して貧相だとも、味が薄いとも、物足りないとも思わないのです。
どの料理もうまみが感じられて、調味料の不足なんて思いません。
先付けには のびるの金山時味噌添えと姫竹の炭火焼が含まれていました。
豪華な食材ではないのに、とっても贅沢に感じました。

この椀物も、大変おいしかった。
上品な。とか、透明感のある。というむつかしい言葉で表現することはできなくて「じんわりおいしかった。」という感想です。
うまみがガツンと来る、ファーストフードのように分かりやすい味ではありません。
一口目がおいしいお料理は、最後まで食べる間に飽きてしまうので、滋味のある味の方がおいしく上手に作ってあると考えています。
お刺身には城下カレイが含まれていました。

ゆめさき宿泊の翌日に城下カレイ専門店「月乃家」で昼食の予定でしたので
「あー、別のお魚でもよかったな」と思ったのですが、実際はゆめさきの方がおいしかったです。
魚は個体差もありますから月乃家がまずいというわけではありませんが
この時はゆめさきの城下かれいが当たりでした。

魚介の料理ではこの他、貝柱の和え物がありました。
おいしいほたてや貝柱にはなかなか出会えないので、貝の料理が出されるとあきらめムードになってしまいます。
しかしこの一皿はオイシかった!
貝柱のことを見直しました。なにげない一品ですが、また食べたいと思わせるお味です。
どの料理も、素材を生かし、素材のうまみを引き出す技を使ったお味でした。
スマップ×スマップのように希少で高級な食材と調味料の料理は、お金があれば簡単に作れると思います。
しかし割烹旅館ゆめさきのように「素材のうまみを引き出す」のは料理長の腕、テクニックの高さが必要なことです
朝食は和定食を頂きました。
大きな干物と煮物が何品か、別府の地元でとれたサラダ、卵焼き、味噌汁などです。
朝ご飯から筑前煮がついていてうれしかった!どの煮物も丁寧にじんわりとしたおいしさで作ってありました。
多すぎない品数でしっかりと作った朝食には好感を持てました。
朝からたくさんの料理を出しておけば客は喜ぶだろう、という応対で、既製品のような味の朝食を出す旅館も多いからです。
温泉は大浴場で貸し切りです。
その貸し切り方がおもしろい、自分で入るときに「入ってます」の札をかけるんです。
自分がお風呂にに行って、先に「入ってます」の札がかかっていたら他のお客さんがお風呂に入っています。順番待ちです。
でも誰も管理していないから、いつ出てくるのか分かりません。
このゆったりとした雰囲気。
6部屋しかない旅館であることと、お客さんの質がいいからできることなんだろうと思いました。
良質なお客様しか来ない旅館は、同様に良質な旅館でしょう。
お湯も「温泉!」という雰囲気を十分感じることができるものでした。
別府は大きな観光地でホテルや旅館の数も多いですし、昔からお湯が出ているので温泉は枯渇しているのではないか?と期待していませんでした。
せっかく大分に来たのだから別府温泉へ入っておけば、お土産話にもなるか、程度の期待度でしたから 別府温泉の湯量、泉質にはおどろきました。
別府温泉へ行った際の、割烹旅館ゆめさきへの宿泊は
という方へおすすめします。
ゆめさきへの宿泊をオススメしない方は、
という方です。
一緒に旅行するメンバーや旅の目的によって使い分けると良いでしょう。
食べることやお酒が好きで、ゆったりとしたくつろぎ旅行を望む方にはお勧めの割烹旅館です。
(広い旅館施設ではないので、運動できないのがストレスになる子にはおもしろくない旅館でしょう。 しかし静かにすることやTPOを使い分けられる子供には、ゆめさきへの宿泊はとてもいい経験になると思います。
素材を生かした味付けの料理は味覚の勉強になります。)
宿泊費用は、旅館の建物や施設に重きを置く方にはオトク感はないと思います。
しかし料理のレベルからすれば、十分な割安感があります。
〒874-0826 大分県別府市鶴見園町5組1
別府駅より車で5分/九州横断道路別府IC下車
絶品日本の宿